- モニターチェック
- 卵巣の市街電車の中で
- 後退青年
- 放蕩息子の帰還
- MUTANT PUBへようこそ!
- NOWHERE STREET
- MYTHCO
- MONEY
モニターチェックの後、トレブルが効いたギターのカッティングが突然始まるという緊張感のあるオープニング。この頃になると吉野大作のボーカルは低音が豊かになり始めてきているのだが、ライブでのボーカルは抑制をしていないのか、迫力のある高音を聞くことが出来る。
“後退青年”のサビの部分ではコーラスが入り、スタジオ録音版とは印象がかなり異なる。ここまで聞き進めるとスタジオ録音版とは違い、非常にパンキッシュであることに驚かされる。そして単純なパンクでは無い。Adrian Belewが参加したKing Crimsonらしい、速いフレーズを聴くことが出来て、にやりとしてしまう。客を挑発するようなアドリブボーカルもかっこいい。
荒々しくも、統率の取れた2曲の後は、一息ついて”放蕩息子の帰還”。裏拍を刻む吉野大作のリズムギターが心地よい。ここからは、ラストに向かって”MUTANT PUBへようこそ!”から始まる怒濤の勢いが始まる。
そして非常に珍しいことだと思うのだけれど、”NOWHERE STREET”のサビで進行を誤り、歌い損なっている。この部分だけでも聞くべき音源である。”MYTHCO”での一筋縄ではいかないリードギターも聞き所の一つ。
一番の聞き所は最終曲の”Money”。どうしてもBeatlesの印象が強いこの曲を、これぞ!吉野大作!というギターに導かれたハードな演奏に、すこしぶっきらぼうなボーカルが乗っている。
アンコールは無いが非常に満足感があるライブである。
迫力のある音で、ベースが少し弱いが各楽器の音がきれいに録音されている。