第一部
- 光の国へ
- 光り輝く場所へ
- 流れにそって
- 永遠の絆
- サンライズタウンブルース
- 自由
- 紅葉坂
- てっちゃんのブルース
オケをバックにギターを絡ませるしっとりとしたインストの”光の国へ”。「神曲」からの選曲は私はこの曲以外に聞いたことが無い。
MCが入り、アコースティックギターの弾き語りで”光り輝く場所へ”。かなり以前から演奏されていた名曲。未発表曲として「1973-1980」に収録されていたが、「あの町の灯りが見えるまで」にて近年、リメイクされた。どのバージョンも素晴らしい。
「ランプ製造工場」でドラムを叩いていた故・谷川秀行氏を偲んで、これまた名曲の”流れにそって”がささやかなギターシンセをギター一本で歌われる。情感のこもった歌が素晴らしい。
MCにて「ランプ製造工場」のDeluxeEditionが発売されることが発表される。
The Carter Familyのカバーで、吉野氏作の日本詞で”永遠の絆”が軽快に歌われる。このようなカントリーソングでのギターのフィンガリングを聴くと、ギタリストとしても語られても良いと思う。一部転調して荒いコードカッティングでロック調になるのも面白い。
近年のライブでは必ず曲ごとにMCが入る。「ブルースを一曲、もう一度おれにブルースをのアルバムに入れ忘れた曲を」と紹介されて”サンライズタウンブルース”。直訳?すれば横浜の日ノ出町のことを歌ったブルースである。ブルースマナーに則った弾き語りである。
続いてセカンドアルバムから”自由”。1974年以来久しぶりに歌うとのこと。ここでもギターシンセをバックにギター1本で歌う。熱のこもった歌は第一部のハイライトである。
続いても珍しい曲をと言うことでファーストアルバムから”紅葉坂”。本牧へのバイトの時に横浜からバスで通った道から作った歌と紹介している。ファーストアルバムでは語りが入っていて恥ずかしいから、聞き返していないと、発言。客から笑いが起こった。
ライブではよく歌われる”てっちゃんのブルース”。ハーモニカを吹いて、ブルースとあるがフォーク。男の友情と、おそらくデモに参加した事が歌われている。
第一部最後の曲ということで、天安門事件で戦車の前に立ちはだかった人物を歌ったもの、と紹介して”裸の男”。オーケストラのオケをバックに見事なフィンガリングで力強く歌う。
第二部
- 永遠の雨
- あの日のチャイナタウン
- Help!
- 飲んだくれ女のブルース
- 大町小町
- 霧の中の光
- 花はどこに行った
- あの町の灯りが見えるまで
- I Want You
- アンコール
- Imagine
一番新しいアルバムから、といって”永遠の雨”がはじまる。ギターシンセの音が不可思議な曲のイメージを一層強いものとしている。
“あの日のチャイナタウン”が続いて歌われる。プロステでは一曲もラブソングを作らなかった、と言うMCがついた。ライブで聞く「ETERNAL RAIN-永遠の雨-」の歌は、アルバムとはまた違った雰囲気で非常に良い。個人的な好みで言えば、ライブバージョンが好きではある。エンディングが何となくJohn Lennonの”Beautiful Boy”に似ている。
皆が知っている曲で、あえてタイトルを紹介せずに歌われたのは、吉野氏による日本語詞の”Help!”。もちろんBeatlesのカバーだ。
ライブでは定番となっている”飲んだくれ女のブルース”。この曲もとうとう「あの町の灯りが見えるまで」にて公式に発表された。私は一度だけモデルとなったであろう女性の横に座ってライブを見たことがある。たしかに飲んだくれていた。
鎌倉に住んでいた頃、作った歌ということで、”大町小町”。詞が非常に美しく、しっとりとした吉野氏の歌も素晴らしい。
ブルースフレーズが軽く弾かれ、「もう一度この俺にブルースを」から一曲と言われると、観客から歓声が起こることでわかるが、かなり人気のあるアルバムだ。そこから”霧の中の光 “がギターでの弾き語りで歌われる。力強いカッティングと歌がマッチしている。後退青年のライブを思い起こされる力強さだ。
カバーであるPete Seegerの”花はどこに行った”は、やはり吉野氏による日本語詞で歌われる。2000年代のライブはアシッドフォークなどと評されることもあるが、この日のライブを聴く限りはアシッドなんかでは無い。
次のアルバムに入れる予定の曲として”あの町の灯りが見えるまで”が歌われる。実際に録音された曲と比べて、幾分テンポが遅いので、重厚な雰囲気がある。
最後に大好きなラブソングとしてBob Dylanの”I Want You”。この曲も日本語詞で歌われる。”Help!”と同様に素晴らしい日本語詞だ。「チャイナドレスのスリットから、こぼれる激しいばかりの君の嘘」の下りは本当に素晴らしい。やっと歌えるようになったと発言していることから、この日が初演なのかも知れない。
大きな拍手の中、アンコールはJohn Lennonの”Imagine”。この曲も日本語詞だ。
カバー曲が多いライブであった。その後、カバーアルバムを作成しているとの発言があることから、このころから取り組んでいたのだろう。このころはオケ+ギターのスタイルでは無く、ギター+ギターシンセというスタイルでのライブだった
20人程度が入ることが出来るバーでのライブ。